20170414 騒音について
スタジオエイチの杉山です。
このところ、よく相談されるマンションのリフォームについてまとめていきたいと思います。過去の経験などからの個人的な見解のまとめです。ここに書かれていることが全てではなく、あくまでも一意見としてご参考にしていただければと思います。
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初回は遮音について
年代的な事なのかもしれませんが、このところ一番多い相談が子供がいるので音に対してどうにかしたいということです。注意してもらいたいのは製品の謳っている遮音性能です。遮音性能は読んで字のごとく、音を遮る性能です。これが良いと、音を遮断してくれるのですが、これにはいくつもの条件があります。その条件下であれば遮音性は担保されますが、これが満たされていないと担保されません。また、この性能もきちんとした検査機関で調査しており、その調査結果を発表しているメーカー(会社)もあれば、その根拠を発表していないメーカー(会社)もあります。
騒音には二種類の音があります。ハイヒールなどで歩くときなどのコツコツとか、スプーンなどを落とした時などの高音。子供が飛び跳ねたり、室内で走り回ったりした時の低音です。マンションなどで問題になるのはこの低音が多いです。
近年のマンションは床のスラブ厚さ(コンクリートの厚み)は200mm程度が一般的です。この厚みがあると遮音性はそれだけでも良くなります。しかし、過去のマンションですが、150mmだったりすることがあります。この50mmの差、たった5センチですが、非常に大きな性能差になります。上記にある低音はコンクリートなどの重たいもので遮られると伝わりにくくなります。これらを補うために上記のような遮音性を謳う商品があります。フリーリングだったり、マットだったりとその種類も多種多様です。
僕の場合、こういったことをすべてお話しますが、そうでない方や会社もあるとのこと。別のリフォーム会社に相談していた方に、セカンドオピニオンを聞かれ愕然としました。その会社はこの床材を使えば下の階に音は漏れませんと断言したいたそうです。下階への騒音が材料一つでもれなくなるほど、シンプルな問題ではありあません。であれば、最初からその材料を使っていればよいわけで、そんな便利なものがないから多くの方々が苦労されているのです。調べてみると、そのマンションは床のスラブ厚は薄かったです。管理組合に問い合わせればわかることなのですが、リフォーム会社はそれすらも調べずに断言したいたようです。また、工事の方法についても、音を遮るために様々な手間が必要になります。ただ張ればいいわけではありません。このあたりもしっかりとしていなかったようです。
マンションのリフォームの場合、下階などへは工事の内容説明等で伺います。その際に騒音には気をつけて部材も選びましたと言ってしまっていて、この工事をしていたら、逆にうるさくなったと大きな問題になっていたかもしれません。リフォームして、引っ越しをして、心機一転、新しい生活を始めようとしても最初からクレームでもめるなんて辛いだけですよね。リフォームをするなら、しっかりとした建築士に関わってもらうべきだと思います。あわせて、業者の選定も非常に重要になります。安かろう悪かろうでは、あとからかかる補修費で帰って高くついてししまったとなりえます。
お気をつけください。